腸内フローラ検査
●腸内フローラとは
ヒトの腸管内には100兆個、菌種にして1000種類を超える菌が生息しています。それらがお互いにバランスをとりながら共存しており、その様子がお花畑(フローラ)のように見えることから腸内フローラと呼ばれています。
バクテロイデーテス
ファーミキューテス
プロテオバクテリア
アクチノバクテリア
その他
48%
38%
10.3%
2.8%
●腸内細菌の組成
腸内細菌叢は70門以上の細菌から構成されますが、主要なものは以下の4つの「門」に分類されます。
①バクテロイーデス門(48%):腸内免疫に重要な役割をもつ
②ファーミキューテス門(38%):乳酸菌産生菌やウェルシュ菌など
③プロテアバクテリア門(10.3%):ビフィズス菌
④アクチノバクテリア門(2.8%):大腸菌、ピロリ菌、カンピロバクターなど
菌の組成は、年齢、体型、遺伝、睡眠時間、喫煙、飲酒、感染、食事、抗生物質などさまざまな要因で変化します。
この構成異常をディスバイオシスと呼びます。
この状態に陥ると、菌が産生する代謝産物の増減や免疫システムの異常を来たし、全身にさまざまな疾病を引き起こすといわれています。
●Dysbiosisが疑われている疾患
炎症性腸疾患
糖尿病
肥満
自閉症スペクトラム障害
パーキンソン病
動脈硬化
気管支喘息
過敏性腸症候群
非アルコール性脂肪性肝炎
自己免疫性疾患
アレルギー
早産
悪性腫瘍
●腸内細菌叢における重要キーワード
①多様性:腸内細菌の充実度。
②短鎖脂肪酸:肥満予防、代謝促進、免疫機能調整などさまざまな健康効果。
③腸管免疫:病原性のある細菌の定着や増殖を防ぐバリア機能。
●代表的な腸内細菌と働き
ビフィズス菌
①糖を分解し、酢酸と乳酸を産生
②ビタミンB群、葉酸を産生
酪酸産生菌
①糖を分解し、酪酸を産生
乳酸産生菌
①糖を分解し、乳酸を産生
②酸に強い
③腸内環境を改善、免疫調整作用
④花粉症軽減作用
⑤ウイルス活性抑制作用
⑥ピロリ菌抑制作用
⑦血圧降下作用
★代表的な乳酸産生菌
・ガゼリ菌
・ラブレ菌
・クレモリス菌
・プラズマ乳酸菌
・フェカリス菌
・乳酸菌シロタ株
・KW乳酸菌
・LG21乳酸菌
・モラック乳酸菌
・L-92乳酸菌
※生育因子にナイアシンが必要
※この検査は大腸内の
エクオール産生菌
①大豆イソフラボンの一種「ダイゼイン」を分解しエクオールを産生。
②近年、食の欧米化によって日本人でも保有している人が少なくなっている。
③エクオールは大豆イソフラボンの中でもっともエストロゲン活性が高い。
大豆イソフラボンを含む食品
・大豆・味噌・豆腐・納豆・豆乳
●腸内環境を整える食事(プロバイオティクス/プレバイオティクス)
腸内環境を整える食事を意識することで徐々に腸内環境は改善されていきさまざまな効果が期待できます。
①腸内環境を整える
②降圧効果
③花粉症症状の軽減
④新生児のアトピー性皮膚炎発症率減少
⑤インフルエンザ予防効果
⑥ピロリ菌抑制効果
⑦発癌抑制の可能性
また、腸内細菌を育てる食事を摂ることによりさらに効果が期待できます。